声明文
仙台市長 藤井 黎 様
仙台市議会 議長 村上 隆志 様
「男女平等のまち・仙台」をめざす条例の制定を実現する市民ネットワーク 代表 長池 博子
昨年11月15日、仙台市ジェンダーフリー推進協議会から仙台市に「男女共同参画推進に関する条例のありかた」について提言がなされました。
協議会では一年半に及ぶ検討を重ねこの間、通常のパブリックコメントの他に、経済界のリーダーや商工自営業者・農業者など、各界各層、老若男女、900を超える意見を集約し、提言にそれを反映されています。
私たちは、すぐに協議会委員を講師にむかえ、提言内容の学習会を開催し、男女共同参画社会基本法成立以降、各地でつくられている条例を仙台にも、そして協議会から提案された内容を十分反映した条例をと、参加者が確認しあいました。そこで、これまで仙台市民が取り組んできた男女共同参画の歩みをいっそう推進させるような条例ができるまで、しっかりと市民が関心を寄せ、連携していくことが提案され、市民ネットワークをたちあげました。
私たちは、これまでネットワーク通信の発行やホームページをとおして、多くの方々に提言の趣旨を理解してもらうように努めるとともに、市議会の傍聴などを行ってきました。また、今年、1月30日には仙台市長および市議会議長宛に、「男女平等のまち・仙台」の実現をめざす男女共同参画条例の早期制定に関する要望書を提出しました。
しかしながら、今回仙台市から提出された条例案は、提言からは大きく後退したものとなっていました。そこで、私たちは議会の傍聴を行うとともに2月16日に市民集会を開いて対応を検討し、議員へのロビイングも行いました。その結果、条例をより提言に近づけることについて、多くの議員が賛同を示さない状況であることがわかりました。すばらしい提言が出され、これを生かした条例ができることを期待していた私たちとしては、大変残念ではありますが、修正は困難であると判断せざるを得ませんでした。
人権を尊重し、男女平等のまち仙台をつくっていこうという基本的考え方は市民ネットワークのみならず多くの市民共通の願いです。その方向をめざそうとした提言が必ずしも十分に条例案に反映できなかったのはなぜか、その点について今議会の議論を通して市民に説明していく責任が行政と議会にはあると考えます。また、今回の条例案は不十分とはいえ、今後市民が参画することで育てていける可能性もないわけではありません。
これらのことを総合的に判断し、私たちとしては今後とも傍聴活動などを続け、提言が十分に条例案に反映されなかった背景を明らかにしていくと共に、条例案がこれ以上後退することなく成立するよう監視していきたいと思います。
(記者会見での声明文発表は2003年2月25日)
(仙台市長及び仙台市議会議長への声明文提出は2003年2月26日)
|