2002年12月11日(水)仙台市議会本会議
Q(佐竹議員):人権尊重に目を向けた条例がつくられるべきだ。この人権尊重という考え方を条例にどのように盛り込んでいくのか,市長の考えを伺う。
A(藤井仙台市長):我が国における男女平等の取組みは,憲法に規定する個人の尊重と法の下の平等という原則を大きな拠り所として,国際的な動きとも連動し着実に進められてきた。
しかし,固定的性別役割分担意識を背景とし,社会のさまざまな場面で格差や,男女間の不平等感などが依然として存在する。性別という生まれながらの属性によって不利益を被るという状況は,基本的人権に関わる問題と認識している。
また,近年,ドメスティック・バイオレンスなど深刻な人権侵害も顕在化している。
こうした状況を勘案し、男女共同参画の推進は,人権尊重の精神を社会に深く根付かせ,男女平等を実現していくという姿勢で取り組んでいくことが重要であると考え,条例では、基本理念として人権尊重を位置づけ、各種の施策を盛り込んでいきたい。
Q(佐竹議員):条例づくりは,まず地域特性を調査・分析することが必要だ。女性の労働力率や男女の地位の平等感,女性に対する暴力,10代の人口妊娠中絶の傾向,そして市への要望等,各種統計調査や意識調査のデータから把握した動向について,どのように分析しているのか。
A(市民局長):昨年本市が実施した市民意識調査によると,職場や政治の場,そして社会通念・慣習などの分野について,女性の8割,男性の7割が男性優遇意識を感じており,家庭生活についても女性の7割,男性の5割が同様の意識を持っている。
また,女性のおよそ10人に1人が夫や恋人などからの暴力被害経験があり,このうち1割近くの人が「命の危険を感じるくらいの暴力を受けた」と回答しており、深刻な状況にある。
十代の人工妊娠中絶は,平成12年の本市「保健統計」によれば、女性人口千人に対する実施割合が21.2と,全国数値の12.1に比較し,高い割合を示しており,近年の性感染症の増加傾向とも合わせ,性に関する正確な情報提供等を行っていく必要性があると認識している。
本市の女性労働力率は,平成12年の「国勢調査」によりますと46.9%だが、20代後半から40代前半までの落ち込みが全国平均と比較して大きくなっており,結婚,出産,子育て等の時期に,就業の継続が困難となっている女性が多いことが伺える。
Q(佐竹議員):ジェンダーフリーという概念は明確でないため,この言葉は大きな誤解を生じさせている。先の議会で市長が述べた「条例の用語としてはふさわしくない。」という考えは,条例が誤解なく市民に受け入れられ,実効性を確保する上で重要な観点だ。同様に「男らしさ,女らしさ」という言葉も,多様な受け取り方をされる言葉であり,性別による役割分担の枠はめの意味で使用される場合もあり、条例用語としてはふさわしくない。男女間には様々な社会的格差が存在しており,この意味での「男女間の違い」を是正することこそ,この条例のめざすべきところだ。この点について市長の所見を伺う。
A(藤井仙台市長):男女間のさまざまな社会的格差の存在は,基本的人権に関わる問題と認識している。その是正を図る取り組みは,(仮称)男女共同参画条例において,めざすべき社会実現のため解決しなければならない課題として位置付けたい。
幅広い市民にわかりやすい条例とすることは,実効性という点からも重要であると考え,用語は十分慎重に検討する必要がある。
Q(佐竹議員):経済効率優先の価値観は問い直され,仕事,家庭生活,社会活動をバランスよく実現する新しい価値観が求められている。人生の自由な選択を可能にし,家庭のあり方の変化を受け止めていく考え方を育て,女性も男性も家庭生活における活動と他の活動を両立できるよう,社会的な支援体制を強化することが重要だが,市長はどう考えるか。
A(市民局長):家庭生活と職業生活,その他の社会活動をバランスよく営むことができる地域社会の実現が大きな課題だ。市民意識調査でも,男女共同参画推進に関する本市への要望は,男女労働者が仕事と家庭を両立し続けるための条件整備を求める声が最も多く寄せられている。
こうした状況を踏まえ,新しい時代に対応し市民の選択を可能にし、多様な家庭のあり方を支えていくために,家庭生活と仕事等他の活動の両立が図られるよう,行政,事業者,市民の連携のもとにさまざまな社会的支援を行い,環境整備に努めていきたい。
Q(佐竹議員):リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」は用語の認知度の低さを踏まえ,慎重に検討するのは理解するが,基本的人権としての「性と生殖に関する生涯にわたる健康と権利」の保障は,人権尊重の考え方に立つこの条例には欠かせない項目だ。情報提供や相談,研修等の具体的な支援策を検討のうえ,条例に盛り込むよう要望するが,所見を伺う。
A(市民局長):リプロダクティブ・ヘルス/ライツの言葉を条例において使用するかどうかに関しては,慎重に検討したい。しかし,自分の身体や健康について正しい知識や情報を持ち,妊娠や出産を含む生涯にわたる性と生殖に関する問題について自ら考え,生涯にわたって健康な生活を営むことは,基本的人権の尊重という観点から大変重要なことであると認識いたしている。「性と生殖に関する生涯にわたる健康と権利」への支援を条例の中に盛り込んでまいりたい。
Q(佐竹議員):苦情の処理及び人権侵害における被害者救済システムの充実・強化は,この条例に欠かせかせない。また,人権侵害の態様は様々であり,今後各種機関の一層の連携強化が必要だ。この点について条例に位置づけ,体制の充実を図っていくべきだが,所見を伺う。
A(市民局長):性別に起因する人権侵害や,市が実施する施策に関する市民や事業者からの相談や苦情に応じるためのシステムの充実・強化は,条例の実効性確保という観点から,重要な課題であると認識している。例の中に位置づけ,体制の整備に努めたいと考える。
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