宮城県職員・議会職員の旧姓使用がスタートしました。


 県職員が結婚などで改姓した後も、一定の範囲内で旧姓使用を認める方針を決
めていた宮城県は知事部局の職員については8月24日,教育庁職員については
9月10日それぞれ「旧姓使用取扱要綱」を施行しました。これは、「改姓前の
氏名で築いてきた職務上の実績・信頼関係が損なわれる。」「改姓した理由を問
われることによりプライベートな事実が明らかにされる。」などの不利益を生じ
る恐れがあったため。県は今回の要綱施行に先立ち、5月1日発行の職員録で旧
姓使用をすでに認めており、この時の旧姓使用希望者は女性5名、男性1名の計
5名でした。職員の旧姓使用が認められる県は、埼玉に次ぎ宮城県は2番目の自
治体になりました。
 また、宮城県議会は9月7日、各派代表者会議を開き、一定の範囲内で旧姓使
用を認めることを決めました。議員が旧姓を使用できるのは、本会議の一般質問
や各種委員会、会派届や請願、意見書のほか、議会内の掲示板議員としての名刺
など。一方、身分証明書や在職証明書など議員の身分に関するものや旧姓の使用
によって「実務上に混乱を生じる恐れがある」と議長が判断したものについて
や、議会の外でも通用させる文書については県職員と同様に旧姓使用は見送られ
ると見られます。宮城県議会運営委員会では、旧姓使用のみならず、通称使用に
ついても論議されましたが、今回は旧姓使用についてのみ認められました。通称
使用については、今後希望する議員が出てきた時点で、再度論議したいとの発言
もありました。地方議会で、旧姓使用を明文化するのは全国で初めてということ
です。          (樋口)

宮城県職員旧姓取扱要綱の改正案

(趣旨)
第1条 この要綱は、知事の事務部局に勤務する一般職に属する職員(臨時及び
非常勤の
 職員を除く。以下「職員」という。)が婚姻、養子縁組その他の事由(以下
「婚姻等」
 という。)によって戸籍上の氏を改めた後も、引き続き婚姻等の前の戸籍上の
氏(以
 下「旧姓」という。)を文書等に使用することに関して必要な事項を定めるも
のとす
 る。
※なぜ知事部局だけなのか?教育庁はできているけれど、ほかの部局について
は?

(定義)
第2条 この要綱において「所属長」とは職員服務規程(昭和35年宮城県訓令
甲25
 号。以下「服務規程」という。)第4条第3項に規定する所属長をいう。

(承認)
第3条 職員は、知事の承認を受けて、専ら職員の間で使用している文書、軽易
な文書等
 で職務遂行上又は事務処理上誤解や混乱を招くおそれのないものにおいて、旧
姓を使用
 することができる。
※削除!承認制でなく、届出制にすべき。届出があれば、無条件に認められる必
要あり。
それに、「誤解や混乱・・など」よけいな文言が目立つ。

(旧姓を使用できる文書等)
第4条 前条の旧姓を使用することができる文書等とは、別表に掲げるものとす
る。
※第4条 原則としてあらゆる文書等において旧姓を使用できるものとする。法
律上その
 他やむをえざる理由によって戸籍上の姓を使用することがもとめられる文書等
(以下、
 戸籍姓のもとめられる文書等をいう)は、別表に掲げるものとする。戸籍姓の
求められ
 る文書等においても、旧姓を併記して、本人確認に支障のないように配慮す
る。

(旧姓使用の申請)
第5条 職員は、第3条の旧姓の使用の承認を受けようとするときは、旧姓使用
申請書
 (様式第1号)を所属長を経て人事課長に提出しなければならない。
※(旧姓使用の届出)
第5条 職員は旧姓の使用をしようとするときは、旧姓使用届(様式第1号)を
所属長
 を経て人事課長に提出しなければならない。

(承認の通知)
第6条 知事は、旧姓の使用を承認したときは、旧姓使用承認通知書(様式第2
号)によ
 り、所属長を経て当該職員に通知するものとする。
※削除。届出制だから、わざわざ通知の必要なし!

(他の任命権者の承認を受けた者の取扱い)
第7条 知事以外の任命権者から旧姓の使用の承認を受けた職員については、当
該承認を
 受けたことを証する書類等の写しを所属長を経て人事課長に提出することによ
り、知事
 が旧姓の使用を承認したものとみなし、第5条及び第6条の規定による手続き
を省略す
 ることができるものとする。
※削除。届出制だから、わざわざ通知の必要なし!

(中止届)
第8条 知事の承認を受けて旧姓を使用している職員が、その使用を中止しよう
とすると
 きは、旧姓使用中止届(様式第3号)を所属長を経て人事課長に提出しなけれ
ばならな
 い。
※「知事の承認を受けて」の部分は削除。

(責務)
第9条 所属長は、所属職員の旧姓の使用に関し適切な運用が図られるように努
めなけれ
 ばならない。
2 旧姓を使用する職員は、旧姓を使用するに当たって、常に県民、職員等に誤
解や混乱
 が生じないように努めなければならない。
※第2項は削除。

(委任)
第10条 この要綱に定めるもののほか、旧姓の使用に関し必要な事項は、人事
課長が定
 める。

   附 則
(施行期日)
1 この要綱は、平成10年8月24日から施行する。

(経過措置)
2 この要綱の施行の日前に婚姻等により戸籍上の氏を改めた職員は、この要綱
の施行の
 日から平成10年9月30日までに、所属長を経て人事課長に第5条の旧姓使
用申請書
 を提出することにより、旧姓の使用の承認を受けることができる。
※最後、旧姓使用届を提出することにより、旧姓の使用ができる。
  1 職員録                             
   
  2 座席表                             
   
  3 出勤簿(職員服務規程様式第4号)                
   
  4 回議書                             
   
  5 事務分担表                           
   
  6 名札                              
   
  7 年次有給休暇届                         
   
  8 特別休暇(申請・届出)書                    
   
  9 職務専念義務免除申請書(職員服務規程様式第5号の2)      
   
 10 営利企業等従事許可申請書(職員服務規程様式第5号の3)     
   
 11 教育に関する兼職兼業等承認申請書(職員服務規程様式第5号の4) 
   
 12 他団体等の事務事業従事に関する申請書              
   
 13 事務引継書                           
   
 14 復命書(職員服務規程様式第6号)                
   
 15 研修受講報告書(職員研修規定別記様式)             
   
 16 物品検収(委任検収)調書                    
   
 17 貸与被服等忘失(き損)届                    
   
 18 職員別被服等貸与簿                       
   
 19 被服等共用簿                          
   
 20 応募制研修に関する応募                     
   
 21 部局長又は所属長が行う表彰                   
   
 22 決裁文書、供覧文書等に係る押印                 
   
 23 研究論文等の発表                        
   
 24 その他法令等に基づかない文書で所属長が認めるもの        
   

※別表は全面改正し、戸籍名のみの文書、戸籍名と旧姓併記の文書のリストに変
更。

→         旧  姓  使  用  申  請  書       
    
                                    
   
                               年  月 
 日 
    宮 城 県 知 事 殿                      
   
        〔所属長認印〕                     
   
                    所属              
   
                    職氏名            印
      
   宮城県職員旧姓使用取扱要綱に基づき、下記のとおり旧姓を使用したいの
で、 
  申請します。                            
   
                   記                
   
  1 使用する旧姓                          
          2 改姓した年月日         年   月   日
          
    3 改姓した事由                          
   
※「旧姓使用申請書」を「旧姓使用届」に変更
 文中の「申請します」を「届出ます」に変更

→         旧 姓 使 用 承 認 通 知 書         
      
                               年  月 
 日 
            殿                        
   
知  事        
      年  月  日付けで申請のありました旧姓の使用については、下
記の  
  とおり承認したので通知します。                   
   
                   記                
   
  1 使用する旧姓                          
   
    2 使用開始年月日          年  月  日        
   
※届出制なので、承認通知書は不要。

→         旧  姓  使  用  中  止  届       
    
年  月  日 
    宮 城 県 知 事 殿                      
   
        〔所属長認印〕                     
   
                   所属               
  
                    職氏名            印
   
    下記のとおり旧姓の使用を中止したいので、届け出します。     
    
                    記                
   
  1 使用を中止する旧姓                       
   
    2 使用を中止する事由                       
   

活動リストに戻る

メニューに戻る

別姓通信47号