夫婦別姓選択性導入などを盛りこんだ
民法改正案推進を求める申し入れ


 2000年9月29日、夫婦別姓などに関する森総理発言に対し、野党4党や無所属の女性国会議員が
「夫婦別姓の選択性導入などを盛りこんだ民法改正案の整備」を官邸に申し入れました。申し入れにあたり、
全野党女性国会議員の賛同を得ました。
 申し入れには、石毛鋭子さん(民主)、井上美代さん(共産)、小宮山洋子さん(民主)、瀬古由起子さん(共産)
辻元清美さん(社民)、畑野君枝さん(共産)、福島瑞穂さん(社民)、以上7名が参加。
 官房長官秘書官の坂口氏に、総理の男女共同参画推進本部長としての姿勢や、※私生児発言について意見を述べ、
10月6日(金)に開かれる「男女共同参画担当大臣との懇談会」で29日の申し入れに対し、
総理の方から、答申を尊重するなど、男女共同参画に積極的な見解を示して欲しいと強く申し入れました。
 以下は提出した申し入れ書です。
2000年9月29日 内閣総理大臣 森 喜朗 殿 夫婦別姓選択制導入などを盛り込んだ民法改正案の推進を求める申し入れ 男女共同参画審議会が9月26日、森総理に提出した「男女共同参画基本計画策定に当たっ ての基本的な考え方 ― 21世紀の最重要課題」では、2010年までに政府が取り組むべき具 体的な課題として、「夫婦同氏制など家族に関する法制」の見直しを行う必要を掲げてい ます。 しかし、28日付けの新聞報道によれば、男女共同参画推進本部長である総理が、 「今後、いろいろとみんなで議論していけばいいと思う」としながらも、個人的な 発言として、「従来(夫婦同姓)の方が日本にはなじむと思う」と述べたという ことです。 1996年2月には、法制審議会から夫婦別姓選択制導入や婚外子差別撤廃などを盛り込んだ 民法改正案の答申が出されましたが、世論が熟していないことを理由に、閣法としての 提出は見送られたままです。この間、とくに若い世代では、夫婦別姓選択制を望む声が 高まっています。政府には、世論を喚起するなど、夫婦別姓選択制を導入するための 努力が臨まれるところです。 私たちは、森総理大臣が男女共同参画推進本部長として「男女共同参画基本計画策定に 当たっての基本的な考え方」の答申を受け、夫婦同氏制の見直しに、自ら率先し早急に 着手するとともに、実効性ある男女共同参画基本計画を早期に策定することを求めます。 女性国会議員有志(計50名) (順不同) 阿部幸代(共産)阿部知子(社民)石井郁子(共産)石毛えい子(民主)石田美栄(民主) 井上美代(共産)岩佐恵美(共産)大石尚子(民主)大沢辰美(共産)大島令子(社民) 大渕絹子(社民)大脇雅子(社民)岡崎トミ子(民主)鎌田さゆり(民主) 川橋幸子(民主)北川れん子(社民)日下部禧代子(社民)小宮山洋子(民主) 笹野貞子(民主)清水澄子(社民)須藤美也子(共産)瀬古由紀子(共産) 武山百合子(自由)高橋紀世子(無所属)竹村泰子(民主)千葉景子(民主) 辻元清美(社民)土屋品子(無会)土井たか子(社民)堂本暁子(無会) 東門美津子(社民)中川智子(社民)中林よし子(共産)西山登紀子(共産) 畑野君枝(共産)八田ひろ子(共産)林 紀子(共産)原 陽子(社民) 肥田美代子(民主)広中和歌子(民主)福島瑞穂(社民)藤木洋子(共産) 円より子(民主)三重野栄子(社民)水島広子(民主)山内惠子(社民) 山口わか子(社民)山谷えり子(民主)吉川春子(共産)和田洋子(民主)

※私生児発言
9月28日の衆院予算委員会で、民主党の菅直人幹事長から「森総理は密室の談合 政治で誕生した」と指摘された際、森総理は答弁の中で、「密室で私生児のように 生まれたと言われると大変不愉快だ。」と発言した。 慌てた自民党の同委理事が野党側と協議し、直ちに発言を議事録から削除した。 なお、森喜朗首相は29日の参院予算委の答弁で、江田五月氏(民主)が質問の冒頭、 「発言の訂正を」と求めたのに対し「いささか興奮して、適切でない表現をした。 取り消したい」と答えている。


夫婦別姓問題で民主党も首相に抗議

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